内航大型船輸送海運組合の意見


   内航海運行政の取り組むべき課題について

 「
将来の内航海運行政」の基本的な考え方として、少なくとも15年あるいはそれ以上の間、暫定措置事業が継続する可能性があることから、「現行の暫定措置事業がスムースにまた完全に遂行できる」ということを大前提とされたい。

(1)参入規制の緩和
 
現在の内航海運の現況(暫定措置事業問題・現在の内航海運の市況)からみて、現在の許可制から登録制への移行は問題が多い。

イ)内航運送業の許可基準
 現在の許可基準の緩和を求めたい。
 @ 使用船舶3隻以上、1隻は所有船であること。→全船傭船であっても何ら運航船
  社として問題ない。
 A 今後は荷主との船舶の共有化も考えておくことが必要かと思う。現行の規定では
  不可。運送業の実績のある船社(組合員)が50%以上の株式を持つ新設会社の船舶
  の保有/運航を認める(申請ベースでもよい)。

ロ)内航船舶貸し船業基準
 @ 船主の競争力強化・健全化を図るため、(現在は3年以上の定期または裸傭船の
  契約の見込みがあること)例えば@7年/船価50%回収の契約または14年/船価
  100%回収を船舶の建造基準を見直す必要があるのではないか。
  
(特に事業団の建造条件は本船竣工後3年据置からの返済のため、誰でも建造でき
  る。4年目の返済が始まってから色々と問題が起きているのではないか)
 A 連続トリップ・チャーター及び再傭船の禁止(通達)
  連続トリップ・チャーターがダメの場合、spot by spotだけの商売を
  するのか?
 また、再傭船については、オペレーターにとっては、「Voy契約よりT/C契約のほうが責任は重い」、船主側の立場としても再傭船禁止の理由がよく理解できない。
 現状では再傭船禁止のため、運航形態は航海傭船契約の方式をとっているが、実際には傭船の精算をしているケースが多々ある。例えば、保証傭船料+運航経費を算出して、運賃精算をしており、手間ひまを要し、また入金も遅くなる。実質は定期傭船契約である。

ハ)100総トン未満の船舶の登録制について
 プッシャー・バージの取り扱いをどうするか。5000トンのプッシャー・バージがフリーとなる可能性があり、別途規制する要あり。

(2)運送約款について
 不特定多数の荷主を対象としているRORO船/コンテナ船の運送約款は必要。航路/各船別に作成することを検討中。(フェリーは既にある。大型船組合の中のRORO船委員会で検討中)単一貨物の輸送は運送契約があり、約款は必要ない。

(3)船舶管理会社について
 船主業務の集約化、船舶の管理コストの削減、船員雇用・教育の問題等あり、この管理方式を早急に認めてほしい。(参考資料=船舶管理会社型)

(4)実施時期
 法令に関係のある事項は平成16年度内から。
 通達事項はできる限り早く。